高性能車は常に熱対策が問題になります.
市販車では特にミッドシップ形式はエンジンの冷却は難しい問題です.
特にスーパーカーの代名詞的な,ランボルギーニ・カウンタック.
マルチェロ・ガンディーニの代表作ですが.この車,熱対策との戦いの連続でした.
元々は,LP500というプロトタイプで発表されたのですが当時のスタイルは,下のモデルカーのようにきわめて滑らかな表面の美しい車でした.しかし一度エンジンを始動するとあっという間にオーバーヒートを起こしてしまいました.
ランボルギーニ社の社内問題もあり市販化は,すったもんだの末,排気量を落としLP400とし,あちこち穴をあけたり空気取り入れ用のインダクション・ポッドを増設したりしてオリジナルの洗礼された美しさは台無し.迫力はあるけれど空力ドラッグの大きなデザインになってしまいました.それでも根本的なオーバーヒート対策とは言い難いものでした.
結果的にフェラーリより実性能で劣り,満足のいかない社やオーナーによって改良(改悪?)が進み,新たな LP500 が作成されました.
大分オリジナルとは変わったイメージですが,異様に迫力のあるスタイルは今だに人気があります.
熱対策に問題のある車は何もこんな高性能者でなくとも存在しまして,私が一時期所有していたフェアレディZ31が正にその車でした.アメリカ仕様やヨーロッパ仕様と比較すると明らかに劣る冷却系.
実際にオーバーヒートや頻繁なベーパーロックによるエンストを起こすにも拘らず,ヨーロッパとは高速走行条件がまるで違うから問題がないという木で鼻を括ったようなメーカー,ディーラーの返事でした.
結局ベーパーロックに対する遮熱版さえディーラーではまともに装着できず,当時弟が所有していたコロナのディーラーで信じがたいことにクレーム処理でベーパーロック対策はできました.
他にも信じられないようなトラブルが旧車以上に発生しディラーの対応は最悪でどうしようもなくなり手放すことに.
結局2年半と私の車歴の中では,最も所有期間の短い車となりました.